第2回の申請受付は、わずか7日間です。
東京都中小企業振興公社の「サイバーセキュリティ対策促進助成金」は、2026年9月9日9時から第2回の申請受付を開始しました。締切は9月15日17時です。
助成限度額は500万円、助成率は助成対象経費の2分の1以内。
ただし、今回の募集で重要なのは「最大500万円」という金額だけではありません。
申請には、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「SECURITY ACTION」で二つ星を宣言していることや、Jグランツを利用するためのGビズIDプライムなど、事前に満たしておくべき要件があります。
受付期間が短いからこそ、焦って申請準備を始めるのではなく、まず「自社は今回申請できる状態なのか」を確認することが重要です。
1|まず確認:第2回は9月15日17時まで
第2回の電子申請受付期間は、
2026年9月9日(水)9時~9月15日(火)17時
です。
受付開始日と締切日を含めると、わずか7日間しかありません。
しかも、東京都中小企業振興公社は、助成金予算の執行状況によって申請受付を早期終了する場合があるとしています。
また、Jグランツにログインしていても、受付最終日時を過ぎると申請ボタンを押せなくなります。
対象になりそうな企業は、まず申請要件と必要書類を確認してください。
2|サイバーセキュリティ対策促進助成金とは?
「サイバーセキュリティ対策促進助成金」は、東京都内の中小企業等が、企業秘密や個人情報などを保護するために行うサイバーセキュリティ対策を支援する制度です。
第2回募集の主な内容は次のとおりです。
・助成率:助成対象経費の2分の1以内
・助成限度額:500万円
・申請下限額:10万円
・申請方法:Jグランツによる電子申請
・申請受付:2026年9月9日9時~9月15日17時
・交付決定:2026年11月下旬予定
・助成対象期間:2026年12月1日~2027年3月31日
標的型メール訓練については別途規定があり、助成限度額50万円、申請下限額10万円です。
助成対象となるのは、SECURITY ACTIONの二つ星を宣言している東京都内の中小企業者、中小企業団体、中小企業グループなどです。
法人の場合は東京都内に登記上の本店または支店があり、原則として東京都内で実質的に1年以上事業を行っていることなど、ほかにも要件があります。
そのため、「東京都の中小企業だから対象」と単純に判断せず、最新の募集要項で自社がすべての要件を満たしているか確認する必要があります。
3|どんなサイバーセキュリティ対策に使える?
公式情報では、サイバーセキュリティ対策を実施するために必要となる機器等の導入や、クラウド利用に係る経費などが対象とされています。
具体的には、
・UTMなどの統合型アプライアンス
・FW、VPN、不正侵入検知システムなどのネットワーク脅威対策製品
・ウイルス対策、スパム対策などのコンテンツセキュリティ対策製品
・EDR、EPPなどのエンドポイント・セキュリティ製品
・シングルサインオン、本人認証などのアクセス管理製品
・アクセスログ管理などのシステムセキュリティ管理製品
・ファイル暗号化などの暗号化製品
・サーバーOSおよびインストール作業
・一定のクラウドサービス
・標的型メール訓練
などが挙げられています。
ただし、重要なのは「主たる目的がサイバーセキュリティの向上であること」です。
単なる機器の買い替えや、使用期限が切れるために同等の製品へ更新するといったケースでは、セキュリティ向上が認められず、対象外となる場合があります。
また、バックアップを主目的とする機器等も対象外です。
「対象製品の名称に当てはまりそう」というだけで判断せず、導入目的まで含めて募集要項を確認する必要があります。
4|最大の確認ポイントは「SECURITY ACTION二つ星」
今回、最初に確認したいのが「SECURITY ACTION」です。
SECURITY ACTIONとは、中小企業が情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言するIPAの制度です。
サイバーセキュリティ対策促進助成金では、
「一つ星」ではなく、「二つ星」
を申請時までに宣言している必要があります。
二つ星を宣言するには、「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」を実施したうえで、情報セキュリティ基本方針を策定し、外部に公開するなどの対応が必要です。
ここで注意したいのが、「二つ星を取得する」という制度ではないことです。
SECURITY ACTIONは認定制度ではなく、事業者自身による「自己宣言」です。
さらに、2026年4月からSECURITY ACTIONの申込方法が変更されています。
現在、新たに自己宣言を申し込む場合は「SECURITY ACTION管理システム」を利用し、ログインにはGビズIDプライムまたはGビズIDメンバーが必要です。
IPAによると、新システムでは申込み直後に自己宣言IDが発行されます。
以前のように自己宣言IDの発行まで約1週間待つ仕組みではなくなっています。
ただし、今回の助成金をJグランツから申請するためには、申請事業者自身の「GビズIDプライム」が必要です。
ここが、残された期間で申請できるかを判断する大きなポイントになります。
5|9月10日から準備して間に合う?
2026年9月10日時点で、まだ準備していない企業が9月15日17時までに申請できるか。
これは、現在の準備状況によって大きく異なります。
GビズIDプライムをすでに持っている企業
今回の申請を確認する価値があります。
SECURITY ACTION二つ星をまだ宣言していなくても、IPAは現在の管理システムについて、申込み直後に自己宣言IDを発行すると案内しています。
ただし、二つ星の宣言には自社診断や情報セキュリティ基本方針の策定・公開などが必要です。
さらに、助成金の申請には見積書をはじめとする複数の書類が必要になります。
そのため、「二つ星をすぐ宣言できる=助成金申請もすぐできる」という意味ではありません。
GビズIDプライムを持っていない企業
今回の第2回募集に間に合うことを前提に、無理に申請準備を進めるのは慎重に考えた方がよいでしょう。
東京都中小企業振興公社では、GビズIDプライムの取得には原則2週間程度かかると案内しています。
9月10日時点で締切まで残されている期間を考えると、これからGビズIDプライムを取得して第2回に申請するのは難しいと考えられます。
この場合は、第3回募集に向けて準備を始める方向で検討するとよいでしょう。
6|SECURITY ACTIONだけではない 必要書類も確認
短期間で申請できるかを判断する際には、SECURITY ACTIONだけでなく、必要書類を揃えられるかも重要です。
法人の場合、主な書類として、
・助成金交付申請書
・直近1期分の確定申告書一式
・履歴事項全部証明書
・法人事業税、法人都民税の納税証明書
・見積書
・製品の仕様書やカタログ等
・会社案内
・SECURITY ACTION二つ星の宣言を確認できる資料
・情報セキュリティ基本方針
・設置、使用場所を確認できる平面図等
・発注先の会社案内
などが求められます。
特に注意したいのが見積書です。
原則として、同一製品について2社以上の見積書が必要とされています。
導入したい製品がまだ決まっていない企業や、販売会社への見積依頼をこれから始める企業は、締切までに必要書類を揃えられるかを早めに確認する必要があります。
7|今回すぐ確認する価値が高い企業、慎重に判断したい企業
ここからは、公式要件を踏まえた経営NEXT TOKYO編集部の考えです。
今回すぐ確認する価値が高い企業
GビズIDプライムをすでに取得しており、導入したいセキュリティ対策も具体化している企業です。
すでにSECURITY ACTION二つ星を宣言している企業であれば、さらに確認を進めやすいでしょう。
二つ星が未宣言でも、GビズIDを取得済みで、情報セキュリティ基本方針や必要書類を短期間で準備できるのであれば、第2回を確認する余地があります。
慎重に判断したい企業
一方、
「最大500万円の助成金があると知って、これから何を導入するか考える」
という段階の企業は、急いで申請することが必ずしも最善とは限りません。
GビズIDプライムをまだ取得していない、SECURITY ACTIONの準備をしていない、導入したい対策が決まっていない、2社見積を含む必要書類を準備できていない、といった場合も同様です。
今回の募集には、次回があります。
無理に9月15日に間に合わせることより、自社に必要なセキュリティ対策を整理したうえで次回に備える方が合理的な場合もあります。
8|第3回は2027年1月に予定
東京都中小企業振興公社は、すでに第3回の申請スケジュールを公表しています。
予定されている電子申請受付期間は、
2027年1月8日(金)9時~1月15日(金)17時
です。
助成対象期間は2027年4月1日~7月31日、交付決定は2027年3月下旬が予定されています。
そのため、第2回に準備が間に合わない企業にとって重要なのは、「今回は使えなかった」で終わらせないことです。
GビズIDプライムを取得する。
SECURITY ACTION二つ星を宣言する。
自社のセキュリティ上の課題を整理する。
必要な対策や製品を検討する。
見積書などの準備を進める。
第3回まで時間があるからこそ、こうした準備を先に進めることができます。
※第3回の日程は2026年9月10日時点の予定です。今後変更される可能性があるため、申請時には必ず最新の公式情報をご確認ください。
9|サイバーセキュリティは「助成金があるから」取り組むものではない
サイバーセキュリティ対策を、単なるITコストとして考える時代ではなくなっています。
顧客情報や取引先情報の流出、ランサムウェアによる業務停止などが発生すれば、影響は情報システム部門だけでは済みません。
特に中小製造業では、自社だけでなく、取引先を含むサプライチェーン全体との関係でセキュリティ対策を考える必要があります。
製造設備や生産管理システム、クラウドサービスなどのデジタル化が進めば、それに伴って守るべき情報やシステムも増えていきます。
DXや省力化を進める際にも、導入するシステムだけでなく、情報管理やセキュリティまで含めて設計することが重要です。
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今回の助成金も、
「最大500万円使えるからセキュリティ製品を導入する」
のではなく、
「自社に必要なセキュリティ対策を整理し、その投資に利用できる制度として助成金を検討する」
という順番で考えるべきでしょう。
9月15日までに確認したいチェックリスト
第2回への申請を検討している企業は、まず次の項目を確認してください。
□ 自社が助成対象者の要件を満たしているか
□ GビズIDプライムを取得済みか
□ SECURITY ACTION二つ星を宣言済み、または申請前に宣言できるか
□ 情報セキュリティ基本方針を策定・公開しているか
□ 導入したい対策が助成対象になるか
□ 同一製品について必要な見積書を準備できるか
□ 登記簿、納税証明書、確定申告書など必要書類を揃えられるか
□ 9月15日17時までにJグランツで申請を完了できるか
この中にすぐ確認できない項目がある場合は、募集要項を確認したうえで、必要に応じて東京都中小企業振興公社やIPAなどの公式窓口へ確認してください。
受付期間が短いからこそ、「急いで申請する」ことよりも、「自社が今回申請できる状態なのかを最短で判断する」ことが重要です。
そして今回に間に合わないのであれば、2027年1月に予定されている第3回に向けて、今から準備を始めるという選択肢があります。
公式情報・出典
・東京都中小企業振興公社「サイバーセキュリティ対策促進助成金」
・東京都中小企業振興公社「令和8年度 サイバーセキュリティ対策促進助成金 募集要項」
・東京都中小企業振興公社「必要書類について」
・IPA「SECURITY ACTION」
・IPA「SECURITY ACTION 自己宣言の申込方法」
※本記事は2026年9月10日時点で公表されている公式情報を基に作成しています。助成制度の内容や申請スケジュール等は変更される場合があります。実際に申請する際は、必ず東京都中小企業振興公社等の最新の公式情報・募集要項をご確認ください。

