東京都、製品開発に最大1,500万円 「地域資源」だけではない10月1日募集開始の助成金

補助金・助成金

「地域資源を活用した製品」と聞くと、伝統工芸品や東京の特産品、地域ブランド商品を思い浮かべるかもしれません。

東京都中小企業振興公社が10月1日に申請受付を開始した「地域資源活用製品等の開発・販売促進事業」の開発・改良フェーズも、制度名だけを見ると、そうした企業向けに見えます。

しかし、対象は地域資源を使った製品だけではありません。

東京が抱える都市・地域課題の解決に資する製品・サービスも対象です。防災、環境・エネルギー、産業振興、交通・物流・サプライチェーンなども対象分野に含まれています。

自社の製造技術を新しい用途へ展開したい企業にとっては、「地域資源」という制度名だけで対象外と判断するには早い制度です。

「地域資源」だけが対象ではない

この事業の対象となる製品・サービスは、大きく二つに分かれています。

一つは、東京の地域資源を活用するものです。

東京の歴史や文化、独自の製造技術・技法、デザインを生かした製品・サービスのほか、都内産の原材料を使ったものや、地域の複数事業者による取組なども示されています。

もう一つが、東京の都市課題・地域課題の解決に資する製品・サービスです。

対象は12分野に及びます。中小製造業との接点を考えやすいところでは、防災・減災・災害予防、環境・エネルギー、産業振興、交通・物流・サプライチェーンなどがあります。このほか、医療・健康、安全・安心、まちづくりなども含まれています。

ここが、この制度を見るうえで大きなポイントです。

「東京の特産品を作っていないから関係ない」ではなく、自社が持つ技術や製品が、東京の課題解決につながる余地があるかという見方ができます。

自社技術の「別の使い道」が対象になる可能性もある

中小製造業には、長年培ってきた加工技術や製造技術があります。

その技術を、現在の用途だけで見るのか。別の課題を解決するために生かせないかという視点で見るのか。

今回の制度は、後者を考えるきっかけになります。

制度上は、防災、環境・エネルギー、物流・サプライチェーン、産業振興といった分野が明示されています。個々の製品が対象になるかは別途確認が必要ですが、自社技術を「何が作れるか」だけでなく、「どの課題を解決できるか」から見直す余地があります。

新しい用途を考えるとき、必ずしもゼロから技術を開発するとは限りません。

すでに持っている技術を別の用途へ展開する。既存製品を新たな課題に合わせて改良する。

そうした製品開発を検討している企業も、この制度の対象範囲を確認する意味があります。

助成上限は1,500万円、助成率は3分の2以内

今回募集されているのは「開発・改良フェーズ」です。

申請期間は2026年10月1日から10月26日17時まで。助成限度額は1,500万円、助成率は助成対象経費の3分の2以内です。

製品・サービスの開発または改良に必要な経費が対象となり、原材料・副資材費、機械装置・工具器具費、委託・外注費、専門家指導費、産業財産権の出願・導入費、直接人件費などが示されています。産業財産権については商標権を除きます。

ただし、1,500万円という金額から開発内容を考える制度ではありません。

自社の技術を、どの地域資源や都市・地域課題と結び付けるのか。その製品・サービスを実現するために必要な開発費を支援する制度です。

申請前に「プラン作成支援」が必要

10月26日の申請期限だけを見て、これから申請書を作ればよいと考えることはできません。

開発・改良フェーズの助成金を申請するには、事前に「プラン作成支援」を利用する必要があります。

専門家派遣を通じて事業計画を組み立て、申請書類を整備し、その準備が完了したと事務局に確認された事業者だけが、助成金申請へ進める仕組みです。

プラン作成支援は、1事業者・1申請年度あたり最大8回。ただし、8回すべてを利用することが条件ではなく、1回でも事業計画の完成が確認されれば助成金申請へ進むことができます。

東京都「My TOKYO」でも、10月の助成金申請を予定する企業には、10月上旬までの初回利用が推奨されています。

つまり、申請期限までの日数だけでは判断しにくい制度です。

製品開発の構想がある企業は、助成金申請の前段階であるプラン作成支援まで含めてスケジュールを見る必要があります。

制度名だけで対象外と判断しない

「地域資源活用」という言葉だけを見れば、自社には縁のない制度に見える企業もあるでしょう。

しかし、今回の対象には、東京の都市・地域課題を解決する製品・サービスも含まれています。

自社技術の新しい用途を探している。既存製品を別の課題に合わせて改良したい。これまでとは違う課題に自社技術を生かしたい。

そうした企業にとって、見るべきなのは「地域資源を持っているか」だけではありません。

自社の技術が、東京のどんな課題に使えるのか。

そこから制度を見ると、製品開発の選択肢は制度名から受ける印象より広くなります。

参考資料

東京都中小企業振興公社
「地域資源活用製品等の開発・販売促進事業」

東京都「My TOKYO」
「東京の地域資源活用や都市課題の解決に資する製品等の開発・改良、販売促進を支援する助成事業について」

情報確認日:2026年10月1日

タイトルとURLをコピーしました