東京都、収益力強化支援の第2回募集を10月1日開始 「助成金だけ」は申請できない

補助金・助成金

売上は大きく落ちていない。それでも、以前より利益が残らない。

物価高騰などによる事業活動コストの増加が続くなか、こうした状況に直面している中小企業もあります。

経費を削るだけでは限界がある。かといって、設備投資やシステム導入、販促を進めれば本当に利益が改善するのか。経営判断が難しい局面です。

東京都の「中小企業収益力強化サポート事業」は、こうした企業を対象に、10月1日午前10時から第2回募集を開始する予定です。募集期間は12月14日までの予定で、第1回・第2回を合わせた支援対象は500社。予定件数に達した場合は募集受付が終了します。

この制度には、最大300万円の助成金があります。

ただし、10月1日に始まるのは、300万円の助成金を直接申請する募集ではありません。

制度の入口は、自社の収益力を専門家と見直すところにあります。

最大300万円より先に知っておきたい「助成金だけでは申請できない」

この制度は、大きく二つの段階に分かれています。

最初は専門家による伴走支援です。自社の経営環境や課題、財務状況を確認し、収益を改善するための方向性を検討したうえで「収益力強化計画」を策定します。

その計画を実行するために費用が必要な場合、希望する企業が次の段階として助成金を申請します。

専門家による伴走支援
↓
収益力強化計画の策定
↓
計画を実行するための助成金申請

という流れです。

公式サイトでも、本事業は「計画策定支援」と「計画実行に必要な経費の助成」の二段階で構成され、助成金だけの申請はできないと明記されています。

専門家派遣は無料で、収益力強化計画の策定まで最大6回。専門家から支援や提案を受けますが、最終的な計画を策定するのは事業者自身です。

「300万円で何を買えるか」を考える制度というより、その前に「自社の利益をどう立て直すか」を整理する制度と捉えた方が実態に近いでしょう。

どんな会社が対象になるのか

申込資格には複数の要件があります。

そのうち、収益面の主な要件の一つが、申請受付開始日時点で、

直近決算期の営業利益が前期決算期より減少している

または、

直近決算期で損失を計上している

ことです。

たとえば、売上は維持できていても、仕入価格や人件費の上昇によって営業利益が前年より減っている会社は、この条件に該当する可能性があります。

ただし、この収益要件だけで申込資格を満たすわけではありません。東京都内に本店または支店を有することなど、ほかの要件もあり、申込時にはすべての資格要件を確認する必要があります。

この制度が見ているのは、単に「赤字かどうか」だけではなく、物価高などの影響を受けるなかで収益力の改善に取り組む必要がある企業です。

専門家と考えるのは「300万円で何を買うか」ではない

利益が減っている理由は、会社によって違います。

原材料価格の上昇を販売価格へ十分に転嫁できていないのか。既存顧客への依存が高いのか。原価を正確につかめていないのか。販売方法や商品構成に見直す余地があるのか。

本事業の伴走支援では、経営環境や課題の整理、財務状況の分析、改善策の検討などを通じて、収益力強化計画へつなげていきます。

設備やシステムを導入すること自体が出発点ではありません。

なぜ利益が落ちているのか。
どこを変えれば収益が改善するのか。
そのために、どんな取組が必要なのか。

この順番で考えた結果として、設備投資やシステム導入、販促などが必要になることがあります。

専門家派遣が助成金申請の前に置かれている意味は、ここにあります。

計画ができてから、最大300万円の助成金へ

専門家の支援を受けて収益力強化計画を策定した企業は、その計画を実行するための経費について、別途助成金を申請できます。

助成限度額は300万円。助成率は原則3分の2以内です。

賃金引上げ計画を掲げて申請する場合は4分の3以内、小規模事業者は5分の4以内となります。

対象経費には、機械装置や設備、システム、販売促進、原材料・副資材などがあります。

ただし、対象になるのは、専門家の提案を踏まえて事業者が策定した「収益力強化計画」の実行に向けた取組に必要な経費です。

設備が対象経費に含まれているから設備を買う、販促費が対象だから広告を出す、という制度ではありません。

収益力を改善するために何を変えるのか。その計画が先にあり、助成金は実行段階を支える仕組みです。

10月1日に確認したいのは「何を買うか」ではなく「何を変えるか」

今回の第2回募集で最初に申し込むのは、助成金ではなく専門家による伴走支援です。

利益が以前より残らなくなった理由を整理し、どこを変えれば収益力を高められるのかを考える。そのうえで必要な投資が明確になれば、最大300万円の助成金が実行を後押しします。

「300万円で何を導入できるか」ではなく、「自社の収益構造のどこを変えるのか」。

この順番で考えることが、中小企業収益力強化サポート事業を理解するポイントです。

参考資料

中小企業収益力強化サポート事業
https://www.tokyo-shuekiryoku-kyoka.jp/

中小企業収益力強化サポート事業「事業説明」
https://www.tokyo-shuekiryoku-kyoka.jp/business/

中小企業収益力強化サポート事業「申込資格」
https://www.tokyo-shuekiryoku-kyoka.jp/application-requirements/

東京都中小企業振興公社「中小企業収益力強化サポート事業」
https://www.tokyo-kosha.or.jp/topics/2605/20260527_link_tokyo-shuekiryoku-kyoka.html

情報確認日:2026年9月30日

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