設備の老朽化や、新しい機械の導入を検討している中小製造業は少なくありません。
9月30日には、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の第1回申請受付が始まりました。設備投資に使える補助金として気になるところですが、設備を買う計画があれば対象になる、という制度ではありません。
今回の公募には「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3つがあります。
同じ工作機械でも、新製品のために使うのか、これまでと同じ製品を増産するのかで意味は変わります。
3つの枠を分けるのは、何を買うかではなく、その投資で自社の事業をどう変えるのかです。
同じ設備投資でも、3つの枠は違う
自社の計画に当てはめると、3つの枠の違いは次のようになります。
| 自社の計画 | 確認したい枠 |
|---|---|
| 自社技術を使って新しい製品・サービスを開発する | 革新的新製品・サービス枠 |
| 新しい製品・サービスで新しい市場へ進出する | 新事業進出枠 |
| 新しい海外市場を開拓し、国内の輸出・生産体制を強化する | グローバル枠 |
| 既存製品を同じ市場へ増産するため設備を更新する | 今回の3枠との適合を慎重に確認 |
たとえば、自社の加工技術を生かして、これまで手掛けてこなかった製品を開発する。そのための設備投資であれば、革新的新製品・サービス枠を確認することになります。
その新製品で、自社にとって新しい市場へ進出する計画なら新事業進出枠。新たな海外市場を開拓し、そのために国内の生産・輸出体制を整えるならグローバル枠です。
設備の名称や金額より、その設備の先にどんな事業があるのかで考えた方が、3枠の違いは見えやすくなります。
「古い設備を替えたい」だけならどうか
古くなった機械を新しい機械へ替え、これまでと同じ製品を、これまでと同じ顧客へ販売する。
公募要領では、こうした既存の機械装置やシステムの単なる置き換えに係る経費は対象外とされています。
今回の補助金が支援するのは、設備を新しくすること自体ではなく、その投資を通じた新製品開発や新市場への進出、海外市場の開拓です。
一方、新製品の開発や新市場への進出に伴う設備投資なら、今回の3枠との関係が出てきます。
設備を入れた後も、事業の姿がほとんど変わらないのか。それとも、新しい製品や市場へ踏み出すのか。この違いが、自社の計画を考える一つの境目になります。
10月30日までに、準備はすでに始まっている
第1回の締切は10月30日18時です。公募要領は9月28日に更新され、電子申請は9月30日に始まりました。
ただ、準備を10月末まで先送りできるわけではありません。
電子申請に使うGビズIDプライムに加え、一般事業主行動計画の公表も必要です。後者は公表まで1~2週間程度かかると案内されています。
申請時には3~5年の事業計画も求められ、賃上げ要件を含めて計画を組むことになります。未達の場合には、補助金の返還が生じる場合もあります。
設備投資を予定している企業は、発注時期も無視できません。補助対象にする設備は、交付決定前に契約・発注すると対象外になります。
納期を優先して先に発注するのか、補助金のスケジュールに合わせるのか。実際の投資時期まで含めて考えることになります。
今回の3枠を分けるのは、設備の種類ではなく、その投資の先にある事業です。
新製品をつくるのか、新市場へ進むのか、海外を開拓するのか。自社の投資目的が整理できれば、確認すべき枠も見えてきます。
参考資料
情報確認日:2026年10月2日

